ムラブリハンモックとは

ハンモックづくりの始まり

ムラブリ族がハンモックづくりを始めたきっかけは、あるスイス人との出会いでした。
1990年代半ば、スイスの織物会社で働いていた織物技術者がタイに移住していました。
ムラブリ族の人々はこの技術者と出会い、ハンモックの編み方、糸の染め方を学ぶようになります。3年ほどのうちに技術が向上していき、ムラブリ族のすべての村でハンモックづくりが広まりました。糸を染める者、糸を手編みでハンモックに仕上げる者など、分業体制も整いました。
今ではムラブリ族の財政を安定させる重要な産業となっています。


森を追われるムラブリ族

20世紀後半、環境破壊によって彼らの生活は脅かされるようになりました。森林伐採や焼畑農業でジャングルは減少し、食料事情は悪化するばかりで、狩猟生活を続けることができなくなります。人口も約300人にまで減少してしまいました。

20〜30年ほど前からムラブリ族のほとんどは、ジャングルを出て定住する生活になりました。 集落をつくって各家族が家を持ち、野菜や穀物を作ったり家畜を飼うようになっています。
しかし狩猟生活を何百年も続けてきたムラブリ族にとって、農業はほとんど初めての体験です。生活条件はなかなか向上しません。
そんななかで、ムラブリ族の生活を向上させるためにハンモックづくりが試みられるようになります。


世界のハンモックブランドに

ムラブリ族の作るハンモックは、タイそして世界で高い人気を得るようになります。
少量生産のため市場になかなか出回らず、ハンモック普及率の高い欧米諸国では「伝説の部族の幻の作品」としてレアな存在になっています。
ムラブリ・ハンモックは100%ハンドメイドで作られます。ひとつ作るのに2週間以上かけて、複雑なパターンを編み上げていきます。
細かいところまで丹精込めた手編みで仕上げているからこそ、世界中で評価されるデザイン・耐久性・耐水性・寝心地を実現できるのです。


ハンモック販売を通じてムラブリ族を支援

フェアトレード(公正貿易)は、発展途上国の原料・製品を適正価格で購入することで、途上国の生産者を支援する運動です。ムラブリ・ハンモックの販売も、中間業者を減らすことによって、より多くの収益がムラブリ族の生産者に渡るよう工夫しています。

またハンモックづくりは、彼らの労働条件も向上させています。
ジャングルを追われたムラブリ族の多くは、他民族に雇われて過酷な労働をさせられたり、慣れない農作業で苦労してきました。それに比べてハンモックづくりは体を酷使することなく、仲間同士で精神的ストレスも少なく働けます。現地のしっかりとした支援体制のもと、最近では近隣に棲む少数部族も受け入れてハンモック職人として育て上げられるまでになりました。

ムラブリ族並びに少数部族の生産者たちは、厳正な製品チェックと品質向上に努め、ハンモック業界の中でのオンリーワンブランドを維持してきました。価値の低い製品を大量生産するのではなく、高いクオリティーの製品を提供することで正当な収益を得られるシステムを目指しています。

ハンモックの製造・販売は、ムラブリ族や山岳部族の生活向上のために不可欠な手段となっています。