ムラブリ族について

ムラブリ族は、タイ・ラオスの山岳地帯に住む少数民族です。
現在では人口約300人しか確認されておらず、民族としての消滅を心配されています。

「ムラブリ」とは彼らの言葉で「森の人」という意味です。

ムラブリ族は長い年月をかけて、他民族との接触を避けてジャングルの中を移動する生活をしてきました。
森の恵みである小動物や果実などを食料とする狩猟活動が中心です。
バナナの葉を屋根や寝床にした住居を作り、まわりに食料が少なくなると別の場所に移動する生活でした。ムラブリ族が去った跡には黄色く枯れたバナナの葉の住居が残されているだけなので「黄色い葉の精霊」とも呼ばれました。
「ムラブリ語」という言語はありますが、文字を持たないので文献が残っておらず、部族の起源など歴史的なことはほとんど判っていません。

森を追われるムラブリ族

20世紀後半、環境破壊によって彼らの生活は脅かされるようになりました。森林伐採や焼畑農業でジャングルは減少し、食料事情は悪化するばかりで、狩猟生活を続けることができなくなります。人口も約300人にまで減少してしまいました。

20〜30年ほど前からムラブリ族のほとんどは、ジャングルを出て定住する生活になりました。 集落をつくって各家族が家を持ち、野菜や穀物を作ったり家畜を飼うようになっています。
しかし狩猟生活を何百年も続けてきたムラブリ族にとって、農業はほとんど初めての体験です。生活条件はなかなか向上しません。
そんななかで、ムラブリ族の生活を向上させるためにハンモックづくりが試みられるようになります。